The previous night of the world revolution4~I.D.~
「…ん~…」

「大丈夫かルレイア先輩」

「むむ…。大丈夫ですけど…」

あれからルレイアは、ちょっと頑張って食事をしたのだけど。

しかし、やっぱり元気はない。

顔色も良くない。

すると、ルリシヤが。

「よし、良いことを思い付いた。俺がマッサージをしてやろう」

こいつ、本当多才だよな。

「ルリシヤ、マッサージなんて出来るんですか」

「あぁ、任せてくれ。肩凝り腰痛も見事に改善してみせるぞ」

「おぉ、それは凄い」

別にルレイアは、肩凝りや腰痛に苦しんでいる訳じゃないがな。

連日の悪夢のせいで睡眠不足、更に眠りが浅いせいで頭痛と目眩に苦しめられているらしい。

俺も他人事ではないのだが、しかしルレイアほどではない。

「ふわぁ~…。良い。これ超気持ち良いですよルリシヤ」

「ふふ、そうだろう?」

ルリシヤに腕をぐっと引っ張られ、ルレイアは嬉しそうだった。

はぁ…別にルレイアが嬉しいなら別に良いが。

「後でルルシー先輩にもやってやろう。俺が『気持ち良く』してやるぞ」

「…結構だ」

「…」

いつもなら、ルレイアが食いつくはずのワードなのだが。

ルレイアは何も言わず、ルリシヤにマッサージされていた。

…これは本格的に余裕がないらしいな。

「…ルレイア。傍に…ついててやるから、少し寝て良いぞ」

「ん?いえ、それは大丈夫なんですけど」

何が大丈夫なんだよ。

「それより、ルルシー。レモンティーもらってきてくれません?ちょっと酸っぱいもの欲しい気分で」

「レモンティー…?それは良いけど、わざわざ取りに行かなくても、持ってきてもらえば良いんじゃないか?」

「でも、自分で取りに行った方が、変なもの入れられなくて済むかなと思って」

…確かに。

スタッフに持ってきてもらったんじゃ、途中で何を混入させられるか分かったものじゃないからな。

飲み物よりは食べ物を食べて欲しいところだが、この際レモンティーでも我慢してやろう。

何も口に入れないよりはマシだ。

「分かった。ちょっと取ってくるよ」

「はい、お願いしますルルシー」

俺は、急いで客室を出た。

ルレイアの為に何か出来るのなら、何でもしたかった。
< 122 / 580 >

この作品をシェア

pagetop