The previous night of the world revolution4~I.D.~
夕食後。

俺達は、二人揃ってアパートメントを出た。

すると、アパートの玄関を出たところで、大家のおばさんに出会った。

「あら、こんばんは」

シェルドニア語初心者の俺だが、これくらいの挨拶は分かる。

「こんばんは」

挨拶を返すと、おばさんは俺達を見てにこにこしながら、

「こんな時間に、二人でデート?」

と、言った。

…ん?今何て言った?デート…とか言った?

いや、聞き間違いだきっと。俺、シェルドニア語初歩だし。

「えぇ。ちょっと気分を変えて、ホテルに行ってきます」

ルリシヤが、シェルドニア語でにこやかに答えた。

ちょっと何て言ったのか分からないけど、おばさんが満面笑みなので、多分ろくでもないこと言ったな。ルリシヤ。

「そう。行ってらっしゃい、楽しんできてね」

「はい。楽しんできます」

にっこりと笑って答え、ルリシヤはくるりと俺を振り向いた。

「よし、楽しんでくるかルルシー先輩」

「…よく分からんけど…。行くか…」

何故か、妙ににこにこしている大家さんに見送られ。

俺は、ルリシヤと一緒にホテルに向かった。
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