The previous night of the world revolution4~I.D.~
実際に会って、その目で見たのなら、安心だ。

更に。

「ルルシー殿やルリシヤ殿とも、連絡を取れる状況にあるそうです」

「そっかー!それなら安心じゃん!」

本当に。それなら安心だ。

シェルドニア王国であの三人が分断されているのかと思ったが…そうではないらしい。

「じゃあルレイア達は今、何処にいるの?シェルドニア王国の何処?」

「ルレイア殿は、ヘールシュミット邸に。ルルシー殿とルリシヤ殿は、別の場所に潜伏しているとか…」

「三人一緒にいる訳じゃないの?」

「はい。ルレイア殿は最近まで、アシミム殿に洗脳されていたそうで…。今は洗脳は解けているんですが、今も洗脳されている振りをしているとか」

成程。それでルレイアだけ、ヘールシュミット邸にいるのか。

「何でルレ公が洗脳なんてされてんのっ!?」

「大丈夫なの!?洗脳って…!ルレイアが…!」

洗脳という恐ろしいワードに反応する、アリューシャとシュノ。

確かにそれも怖いが…。

「君の目で見たところ、ルレイアの洗脳は解けてるんだよね?」

「はい。完全にいつものルレイア殿でした」

「なら良い。それなのに洗脳されてる振りをしているのは、シェルドニア王国から脱出する為だね?」

「…そうです」

まぁ、無理もない…か。

他に、ルレイア達が単身でシェルドニアから出るには、それ以外に方法がない。

「どゆことっ?連絡取れるんなら、ルル公とルリ公で、ルレ公拉致って帰ってくれば良いじゃん」

と、アリューシャ。

それだと、確かに話は早いんだけど。

「無理だよ、アリューシャ。出国しようにも、空港や港にはアシミムの息がかかってるんだから」

「あ、そっか…」

だから、シェルドニア王国で三人が合流出来ても、まだ帰れない。

残念ながら。

「じゃあ、どうやったら帰ってこれんの?」

そうだな…。

ルレイアが、洗脳が解けたのにわざわざヘールシュミット邸にいるということは…。
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