The previous night of the world revolution4~I.D.~
ルレイアと、出会わない方が幸せだったか?

ルレイアが、俺の人生を縛り付けているか?

…そんなの、誰が分かるって言うんだ。

「…俺はお前と出会わなかった人生を知らないから、何とも言えないけど」

お前の言う通り、ルレイアに出会わなかったら、もっと幸せな人生が待っていたかもな。

ルレイアじゃない別の人に会って、その人と幸せに生きてたのかもしれない。

そんなことは分からない。運命の女神でもない限り。

「でも、俺はお前と出会ってから自分を不幸だと思ったことはないし、それはお前も同じじゃないのか」

「…それは…」

出会っていたら、出会わなかったら、なんて。

考えるだけ無駄だ。

事実として、こうして俺達は出会ったのだから。

そんな当たり前のことをわざわざ聞いてくるなんて、相当メンタルに来てるらしいな。

で…それから、ルレイアが俺の縛り付けてるか、だったな。

「確かにお前は俺を縛り付けてるよ。でも縛り付けてるのはお前だけじゃない。俺も同じだ」

「…ルルシーも?」

「そりゃそうだ。俺もまた、お前を縛り付けてるだろう」

お前の頭の中が俺で一杯なのは、そういうことだ。

「全部お互い様なんだよ、俺達は。お前は俺を縛ってるし、俺もお前を縛ってる。お互い依存して、同じ一本の鎖にがんじがらめにされて生きてるんだ」

そんな生き方を選んだのは、俺であり、お前だ。

そしてそれを後悔したことは、一度もない。

そうすることでしか生きられないのだ。俺達は。

で、それの何が悪い?
< 464 / 580 >

この作品をシェア

pagetop