The previous night of the world revolution4~I.D.~
帝国騎士官学校。

懐かしい俺の母校であり、俺の闇の源泉であり、地獄のような記憶が残るこの場所は、同時に俺とルルシーの出会いの場でもある。

この場所での地獄がなければ、ルルシーとは出会っていなかった。

そう思うと、複雑な気持ちになるが…。

「…あんまり、昔と変わってませんね」

「…そうだな」

俺達は帝国騎士官学校の敷地内を歩きながら、そう言った。

学校のOBだと言ったら、簡単な本人確認だけで入れてもらえた。

ちなみに、事務室で提示した身分証は偽物だが、まぁバレないだろう。

まさか、卒業生の現役マフィアです、とは言えないからな。

今の帝国騎士官学校の教官に、俺の顔を覚えている者はほとんどいない。

学校の理事長も校長も、俺に関わった教官は、皆俺のいじめを止めることが出来なかった責任を追及されて、クビにされたのだから。

そういえば第二帝国騎士官学校の方も、お偉いさんは全員クビにされたんだったよな。ルトリアの事件で。

もうこの学校、まとめて廃校にした方が良いのでは?

「…ルレイア、大丈夫か?」

「大丈夫ですよ」

今にも俺が発作を起こして倒れまいかと、ルルシーは絶えず心配しているようだった。

もー。心配性。

大丈夫だよ。今のところは。

鳥肌が立つくらいで収まってる。

地獄みたいな記憶しか残ってないけど、それでも戻ってきてみると、懐かしいと言うか…。

…どちらかと言うと、おぞましい、の方が近いか。
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