The previous night of the world revolution4~I.D.~
仕事を一時中断して、俺は真剣にルリシヤ対策を考えた。

いつの間に、何処から侵入してきてるのか知らないが。

俺のプライバシーのペラペラ加減がそろそろヤバいので、本当何とかしないと。

と、思っているのに。

ルレイアはお構い無しに、俺にくっついてきた。

「ルルシ~…。クリスマスプレゼントください」

…それどころじゃねぇんだよ。今。

「へい!アリューシャにもクリプレ!クリプレくれ!サンタ来て!」

アリューシャがうるせぇ。

「プレゼントは用意するとして…。当日はどうする?アリューシャがクリスマスツリー欲しがってるから、ツリー飾ろうと思うんだけど」

「あ、今年はルルシーの家でクリスマスパーティするので、ツリーはルルシーの家に送ってください」

「アイズ先輩、俺に託しておいてくれれば、今度ルルシー先輩の家に忍び込むときにこっそり置いておくよ」

「うん、分かった。じゃあツリー用意したら、ルリシヤに預けるね」

俺は一切、何も、承諾した覚えはないのに。

何もかもが、俺の預かり知らぬところで決まっている。

誰の家でクリスマスパーティだって?

俺は、良いなんて一言も言ってないぞ。

俺の家に勝手にクリスマスツリー置くな。ってか忍び込むな!

「お前らな、勝手に…!」

決めるな、と怒ってやろうとしたのに。

何を勘違いしたのか、シュノがぽん、と俺の肩に手を置いた。

「大丈夫よルルシー。私も料理手伝うわ。クリスマス用に、ポテトグラタンの作り方を覚えたの」

いや違う。料理の心配なんてしてない。

しかし、ルリシヤまでもが。

「勿論俺も一緒に作るからな。ルルシー先輩だけに任せたりしないよ」

だから違うっての。

と言うか、俺まで作らされるのかよ。

「私はクリスマスツリーと、アリューシャのシュトーレン用意していくね」

「じゃあ俺は、ゴスロリ印のクリスマスケーキを持っていきますね」

「ならアリューシャは、味見係な!アリューシャにお任せ!」

アイズ、お前は良い。

ルレイア、ゴスロリ印って何だ。

アリューシャ、お前それ何もしてないじゃん。

あぁ…もう、突っ込みどころが多過ぎて、頭痛くなってきた。

しかも、更にルレイアが、満面笑みでこんなことまで言い出した。

「プレゼント交換しましょうね~、皆でプレゼント持ち寄って」

「おぉ!クリスマスっぽい!」

「本当、楽しそう…。待ちきれないわね」

…。

…ふざけんなお前ら、誰がクリスマスパーティなんかするか、と。

言ってやりたかったが…。

…それが言えるなら、ハロウィンパーティの時点で言ってるよ。

結局俺は、こいつらに巻き込まれるように、一緒に参加するしか選択肢はないのだ。

…とりあえずルリシヤ。お前、今度忍び込んできたら警察に突き出してやるからな。
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