The previous night of the world revolution4~I.D.~
そして、その日の夕方。




「ルレイア先輩、そろそろ夕食に行こう」

「ん?あー…。もうそんな時間ですか」

俺はぼんやりと客室でテレビを眺めていた。

時計を見ると、時刻はそろそろ夕飯時。

しかし。

「んー…。でも、俺は要らないので、二人で行ってきてください」

「!…どうした?食欲ないのか」

心配そうに俺の顔を覗き込むルルシー。優しい。

そんなところもだいしゅき…なのだが。

「何だか頭がぼんやりするような気がして…」

「おいおい…。風邪か?」

「んん…?風邪って感じはしないんですが…」

別に身体がダルい訳でもないし、頭が痛い訳でもない。

何だろう…船酔いかなぁ?

「ちょっと甲板に出て、風にでも当たってきますね」

「大丈夫か?身体を冷やすぞ」

「すぐ戻りますよ」

「…一緒についてようか?」

相変わらず、心配性のルルシーである。

ちょっと体調が優れないって言ったらこれだよ。もー優しいんだから。

「大丈夫ですって。二人で食事してきてください。俺も後でお腹空いたら、ルームサービス頼みますから」

「…そうか…。それなら良いが…本当に大丈夫なのか?」

「ルルシーったら~、過保護なんだから」

俺が体調崩すことなんて、滅多にないからな。

ん?そういえば初めてじゃないか?

怪我させられたり、毒ガス吸ってちょっと入院したことはあるけど。

普通に風邪引いて体調崩すなんて、初めてかも。

でもほら、俺オルタンスとかと違って、馬鹿じゃないから。風邪も引くんだよ。

「分かった。じゃあルルシー先輩、二人で夕食に行こうか」

「あぁ…。…ルレイア、しんどかったら呼べよ。分かったな?」

「分かってますって」

ルルシーの過保護ぶりと言ったら、思わず苦笑してしまうほどだ。

これじゃルルシー、夕飯食べてても上の空じゃないのか?

「…さてと…」

俺は俺で、ちょっと風にでも当たってこよう。
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