The previous night of the world revolution4~I.D.~
その後、料理が完成した頃。

少し遅れて、シュノも合流した。

シュノは、ちゃんとインターホンを押して入ってきてくれたぞ。

「ごめんなさい、遅れて…。ポテトグラタンに手間取っちゃって」

「いや、良いんだシュノ…。お前は立派だ…」

勝手に入ってこず、インターホン押してくれたからそれで良い。

それにしてもシュノの格好もなかなかに凄い。

相変わらずのゴスロリワンピース。これ、絶対ルレイアに選んでもらっただろ。

と、思っていたら案の定。

「おっ、シュノさん素敵ですね~。俺がこの間選んだワンピース、着てくれたんですね」

「うんっ…!とっても素敵だから、今日着てこようと思ってたの」

ほら見たことか。絶対ルレイアの趣味だと思った。

シュノも少しくらい「この格好はちょっと…」と苦言を呈してくれれば良いものを。

ルレイアに褒められた、とにこにこしているので、無理そう。

まぁね。苦言を言うならそもそもこんな格好しないよね。

「さて、それじゃルルシーとルリシヤと、シュノさんのご飯を堪能しましょうか~」

「アリューシャは一歩先に、もう味見したけどな!」

だろうな。

「あぁ、そうだ皆。アシュトーリアさんから皆にクリスマスプレゼントに、シャンパンの差し入れがあったから。皆で飲もう」

何だと?それは初耳。

「わぁい。嬉しいですね~」

「クリスマスくらいは羽目を外しても良いだろうな」

ルリシヤは毎回羽目外しまくってるだろうが。

すると、一人不満な様子のアリューシャ。

「えー!シャンパン~?アリューシャ飲めん」

アルコール分飛ばしてても酔ってたもんな、お前。

そりゃお子様なアリューシャにお酒の差し入れは嬉しくないだろうが…。

しかしさすがのアシュトーリアさん、そこは抜かりなかった。

「アリューシャ用に、子供用のシャンメリーももらってるよ。アリューシャはこっち飲もう」

「いえーい!しゃんめり~♪」

…良かったな、アリューシャ。

「ね、ね、ルルシー。俺のケーキも出しましょうよ」

ちょんちょん、とつついてくるルレイア。

あぁ、そうだったな。

クリスマスのディナーに、ケーキがなければ話にならない。

ゴスロリ印のケーキとか言ってたが、どんなケーキ…、

「…うおっ!」

「うふっ。素敵でしょ?」

開けてびっくり。ルレイア持参の、ゴスロリ印のクリスマスケーキ。

スポンジケーキも、トッピングのクリームも全部チョコ。

上に乗ってるイチゴも、ご丁寧に一個ずつチョコレートがコーティングしてある。

飴細工のサンタが着ている衣装も、赤と白黒のはずなのに全部黒。

トナカイまで黒い。どうなってんだこのトナカイ。

デコレーションも相当凝っていて、チョコクリームで薔薇を描いている。

何もかもがゴシックなケーキ。成程、ゴスロリ印とはこういうことか。

チョコプレートも黒くて、茶色のチョコペンで『Merry X'mas』と書いてある。

「すげぇケーキ!」

「こんなの初めて見たわ。凄く素敵…!さすがルレイア」

これには、アリューシャとシュノもびっくり。

「ルレイアお前…。何処で買ったんだ?こんなの…」

その辺のケーキ屋には売ってないだろう。こんなの…見たことがないぞ。

「あ、パティシエのハーレム会員数人に作らせました。ちゃ~んと、お礼に一晩たっぷり『遊んで』あげましたよ?」

…そんなことだろうと思ったよ。

もう何も言うまい。

「よしっ、じゃあ食べましょうか~。うふふ、ルルシーのご飯楽しみ~♪」

ルレイアはうきうきと食卓についた。

ルレイアに利用された女の子達は、気の毒だが…。

…まぁ、ルレイアが楽しそうだから良いか。
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