The previous night of the world revolution4~I.D.~
クリスマスでも、散々巻き込まれて迷惑したのだから。

今回ばかりは、俺も抵抗するぞ。

「お前ら!誰がうちの家で大晦日過ごそうとしてんだ!来るな!」

俺は一人で、いつもと変わらない日常を過ごすつもりでいるのに。

何でこいつらとわちゃわちゃしなきゃならないんだ。

ってか何で毎回俺の家が集合場所なんだよ!コンビニの出入り口か!

「あぁ、そうだルルシー先輩」

「あ!?」

何だよ。平然と喋るなよ。

「エアコン周りと換気扇は掃除しておいたから、ルルシー先輩は水回りを頼めるか」

「は?」

「あとは玄関と寝室とリビングと…。キッチンも大掃除しないとな。任せてくれ。新品みたいにピカピカにしておくから」

「え?うん…ありがとう…?」

…この人、さっきから何言ってんの?

頭大丈夫?

「ルルシー先輩、普段はあまり換気扇は触らないんだな。かなり油がこびりついていて大変だったよ」

「あれって大変なんでしょ?洗剤で落ちるの?」

「洗剤でも良いけど、俺は重曹を使ったよ」

「へぇ~」

…へぇ~…。

それ、俺ん家の話?

何で俺の家の換気扇が、ルリシヤの手で綺麗になってんの?

「それとルルシー先輩。冷蔵庫の中で眠ってた賞味期限切れの食材、全部捨てさせてもらったよ。奥の方に溜まってたからな」

「…あ、そう…」

「捨てちゃ駄目だったか?俺は、賞味期限は割とちゃんと守るタイプなんだが…」

「いや…それは良いんだけどさ…」

賞味期限切れの食材って、うっかりしてると溜まっちゃうよな。

自慢ではないが、俺は特にそういうことが多い。

作るつもりで買ったんだけど、仕事が立て込んで帰れなくて、結局そのまま冷蔵庫の中に封印しておく羽目になって…。

滅多に使わない調味料とか。たまに賞味期限二年くらい前のものとかあったりして、びっくりする。

いつかまとめて捨てないとなぁと思ってたんだけど、ついつい後回しにしてしまっていて…。

…で、それが一掃されたと?

ルリシヤの手によって?

…あのさ。ちょっとはっきりさせたいことがあるんだけど。

「…ルリシヤ。お前俺の家に侵入してる?」

「侵入とは人聞きが悪いな、ルルシー先輩…。ルリシヤ年末の大掃除出張サービスだ」

「有り難いけど断りもなく来るな!侵入じゃないか結局!」

「大丈夫だ問題ない。いつも寝室にカメラを仕掛けさせてもらってるから、ちょっとしたお礼のつもりで」

「大問題だ馬鹿!来るな!仕掛けるな!掃除をするな!」

有り難いけどな!

するとルレイアが、焦った顔で俺にすがってきた。

「駄目ですよルルシー!ルリシヤを止めたら、俺のルルシー寝顔コレクションの供給が!」

「止まってしまえそんなもの!」

何を考えてんだこいつらは。

俺が寝てる間に、俺の家は一体何をされてるんだよ!
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