嘘八百
え? と男性が行き場の無くなった皿を持ってきょとんとする。それに気付いて雪は、トングを男性の方へ向けた。
「どうぞ」
ご自分で。
雪の横で一部始終を見ていた玲香が、そのトングをサッと取り上げた。
「皆、前菜食べますー?」
「あ、食べたーい」
「取り分けますねー」
既に食べ始めていた雪を押し込めながら、ささっと玲香は取り分けていく。
「もう一人の方、遅くなるんですか?」
「末締め近くて残業続きって言ってたからな。あ、でもすぐに着くって」
行き場の無くなっていた皿を玲香に預け、雪の近くにいた男性がスマホを見た。