嘘八百
噂をすれば影

 岬は三日に一度くらいの割合で現れた。しかしそれは一方的に雪が見ただけで、ただ一人で食事して帰って行く。

「この前話しかけてきた会社員、もしかして常連?」

 グラスを拭く鈴炉に話しかける。

「あー、たまに来てましたね」
「そうか……」
「知り合いなんですか?」
「合コンで知り合った」
「京橋さんって合コンとか行くんですね」
「飯食いに」

 雪も食器の洗浄を終えて、手を拭う。その答えに、あーと呆れた顔をする鈴炉。

「席の端で黙々と食ってそう」
「それ」

 休日の夕方は緩やかな時間が流れている。

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