嘘八百

 噂をすれば影。

 バチ、と雪と視線が合った。その間に入るように鈴炉が前に出る。

「いらっしゃいませ、お一人様ですか? こちらの席へどうぞ」

 岬は案内に従って歩いていく。雪はサッとキッチンへ引っ込んだ。
 鈴炉がすぐに戻る。

「カレーライスセットひとつお願いします」
「はーい」

 カレーライスセットは、この喫茶店"傘"ではかなり人気なメニューになっている。喫煙可であるのも大きいだろうが、軽食や定食の美味しさも大きい。

 すぐにカレーライスセットは整い、ちょうど雪のあがりの時間になった。

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