嘘八百

 キッチンに居た夜番バイトへと引き継ぎをして、着替えに出る。

「お疲れ様です」
「おつかれー」

 着替えてから店内へ戻る。
 岬の座っていた窓際のテーブルの正面へと腰をおろした。

 カレーセットを半分以上平らげていた岬が驚いたように雪を見る。

「久しぶり」

 雪はひらりと手を挙げた。
 目をぱちくりさせながら、岬はその指先を見つめた。

「なんか言えば」
「驚いて声が出なかった」
「カレーセットどう?」
「美味しい」

 その言葉に嬉しそうに雪が笑った。

「でしょ」

 岬がつられるように笑う。

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