嘘八百
それ以上は聞くな、と笑顔が言っている。
そもそもこの玲香も大手企業会長のご令嬢だ。その繋がりの友人ならば、それなりの家柄なのだろう。
ご令嬢なわりに、よくこの下界に馴染んでいると雪は思う。
「成功報酬弾んでくれるなら」
「ええ、良いの。嬉しい」
演技じみた嬉しがり方に、雪は呆れた顔をしながらスマホを取り出した。
男の分かっている情報をいくつか送ってもらう。
「そういえば、岬って何者?」
「ミサキ? どこの子?」
「合コンで、遅れて来た奴」
玲香は眉を顰めてから、思い出したように顔を上げた。