嘘八百
「マスクずっとしてて、しんどくねえの」
「習慣です」
していない時間の方が少ないのでは、と思う程だ。雪は起き上がり、マスクを顎まで下げて手元にあったミネラルウォーターを飲む。
日暮はその顔を見下げた。
「何か用ですか?」
「いや……次の休みって」
「空いてないですね」
即答。近くのテーブルで昼食を食べていた尾野が噴き出し、笑う。
「玉砕」
「尾野、お前」
「日暮先輩、セクハラになる前に諦めた方が良いですよお」
くつくつと肩を震わせながらもアドバイスを口にする。