嘘八百

 どこ吹く風、と雪は明後日の方向を見ていた。

「普通に飯誘ってるだけだろうが」
「三度も断られてたら脈無しです、死んでます」

 ばっさりと尾野が言う。笑顔で。
 雪はあまりの直球さに苦笑した。

「縁起わりーなー」
「てかマスク取ろうとするとかキモすぎます」
「尾野ちゃんが日暮さんを殺しにかかってる」
「もういい! だまっとれ!!」

 顔を赤くした日暮がバタバタと休憩室を出ていく。他職種の集まるここで、かなり響いた声だった。

 当の雪は全く気にせず、尾野を見た。尾野も気にせず、コンビニのラーメンを啜っている。

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