嘘八百

 同時に、その男性の登場に気付いた女性陣たちが色めく。顔と身長は申し分ない男性がきたのだ、雰囲気が変わった。

「お疲れ様です、何飲まれます?」

 玲香がすかさずドリンクメニューを見せる。未だ立ったままの男性は、口を開きかけたところで幹事の男性が「まあこっち! こっち座れよ」と手招きした。

 それに対抗するように男性は一番下座の雪の傍の椅子へ座った。

「メニューありがとうございます」

 玲香が差し出したそれは受け取られ、ちらと見られることもなく食事を運んできた店員に「生ビールで」と注文した。

 テーブルに置かれた種類の違うパスタに雪は目を煌めかせる。
< 5 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop