嘘八百
「当分はいるつもりなんで、新しい学生バイト一杯入れて切らないでくださいよ」
「じゃあもっと働け」
「正社のクビ切られたら元も子もねーので」
店長が呆れたように溜息を吐く。いつものことだ。
「俺が生きてる間に返済しろよ」
「長生き頼みます」
「早よしろ」
その言葉を受けながら、雪はキッチンへ出た。ホールにてグラスを拭いていた鈴炉と最初に目が合う。
「京橋さん、死んだかと思ってました」
「勝手に殺すなよ」
「海に沈められたかと」
そんなに恨みを買ってない、とも言い切れない。