嘘八百

 死ぬにしても、殺されるにしても、海に沈むのは嫌だと思った。

「この前サンタクロースの話してたのに、あっという間にクリスマスですね」
「駅前、人すごかった」
「クリスマスマーケットやってるんですよね。去年行ったんですけど、入場制限かかってました」
「行く気がしれない……」

 人混みを考えるだけでうんざりしてしまう。
 クリスマスメニューなんてものはここには存在せず、常連が出入りしていた。雪は来月のシフトを見る。

「鈴炉って三月ぎりぎりまでいるの?」
「一応。他にすることも無いんで」

 顔を上げて答えた。

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