嘘八百
雪と目が合う。
「バイト戦士か」
「京橋さんはいつまで働くんですか」
「先十年くらいかな」
「え、まず十年も店が保つのか……」
さらりと経営を不安視する声。それに肩を震わせて笑う雪。
「京橋さんがここに居るなら、偶に食べに来ます」
「指名料取るからな」
「ここはいつからガルバに……」
困惑した顔を見せ、雪は気にせず扉の方を見た。人影が見え、その扉が開く。
久々に見る岬の姿だった。
一緒に話していた鈴炉が出ていく。
「いらっしゃいませ、一名様ですか?」
マニュアルの応酬の後、パッと岬の視線が上がり、雪とぶつかった。