初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~
「そういえば…前に言ってた事務の人ってどうなったの?真宙に纏わりついてたっていう…」
「あぁ、もう一切関わらなくなったよ。社長から直接『次にストーカーじみた事をしたらクビ』って忠告も受けたし、何より麻里亜に勝てないと思ったみたいでさ」
「え?…私、会ったことないよね?」
「ほら、先月、お父さんと徳永に来ただろ?その時に初めて麻里亜を見たらしいんだけど、麻里亜の見た目だけで負けたとショックを受けてるところに、賢哉(けんや)くんが麻里亜と俺のことを話したんだよ」
「真宙の秘書さんが?…何て言ったの?」
「麻里亜は栗原製薬の社長令嬢で、見目麗しい大和撫子で、才色兼備な良妻賢母で、俺が高校生の頃からずっと麻里亜にメロメロなんだって畳み掛けたら、さすがに変な妄想から現実に引き戻されたみたいでさ」
「…それは言い過ぎだと思うけど……でもそっか…それなら良かった。けど、本当に真宙は魅力のある大人の男性だもの、惚れられるのも当然よね」
「何言ってんだか。そんなの俺が副社長だからだよ。同僚の話だと、あの人は〝玉の輿を夢見る女〞って有名だったらしいしさ」
「ううん、真宙は全部が素敵なの。頭もいいし、容姿だって素敵だし、優しくて頼れる大人の男性なんだもの」
「…結婚してだいぶ経つけど、今でも麻里亜はそう言ってくれるよね、嬉しいよ」
「ふふ、真宙だって私のことを褒めてくれるじゃない?」
「それは褒めるっていうか、そう思ってるだけだよ」
「私も同じ。いつもそう思っているだけよ。…真宙は、傘を貸してくれた時からずっと私にとって素敵な白馬の騎士の王子様なの。…その王子様の妻になれた私は本当に幸せ者ね。あんなに可愛い娘まで授けてもらえたんだもの」
子供部屋の方を振り返り、ぐっすりと眠る麻彩を思い浮かべていると、真宙が私の身体を優しく抱き寄せた。