初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~
「あぁ、麻里亜さん、ご無沙汰して悪かったね」
「いえ、こちらこそご挨拶に伺わず申し訳ありません」
ここはヒラクボファーマ本社応接室。
私は座っていた腰を上げると、腰から頭まで背筋を伸ばして、応接室に入ってきた晶人さんに丁寧に頭を下げて挨拶する。
そこへ、仕事で先に来ていたお父さんが平久保社長と一緒に姿を見せた。
「麻里亜、待たせたね」
「やあやあ麻里亜さん、久しぶりだねぇ。また一段と綺麗になって。晶人も早く嫁さんにしたいだろう?」
「父さん、失礼ですよ。…すみませんね、麻里亜さん」
「いえ…」
「まぁいいじゃないか。それでだな晶人、お前も忙しいとは思うが、婚約も近いことだし2人で旅行なんてどうかと思ってな。結婚したら子供も早い方がいいし、早めに仲良くなっておくのも悪くないだろう。何なら子供くらいフライングしても構わないぞ?ガハハハ」
…何て言い方だろう…
この人は立ち居振舞いも考え方も何と言うか下品で好きではない。
こんな人が義父になるだなんて、考えただけで頭が痛いわ…
「あぁそれはいいね、麻里亜さん、ぜひ行きましょう」
私は軽く頭を下げた。
「そうかそうか、それなら2人で話して決めた方がいいな。それでは私達年寄りはお邪魔な様だし席を外すとしよう。麻里亜さん、ま、よろしく頼むよ!」
「はい、平久保社長」
するとお父さんが落ち着いた口調で私に言った。
「麻里亜、わかっているね」
「はい、お父様」
それはつまり、婚前交渉…体の関係は持つな、という事。
もちろん私もそこはお父さんと同意です。
「では私も失礼するよ」
そう告げる父を、晶人さんは笑顔で会釈して見送った。