初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~

「麻里亜さん……じゃあ…俺を徳永くんだと思って、今夜…一緒に過ごしますか?」

…試した訳じゃないけど…何て答えるか聞きたかった。


「ふふ、いいえ、それはできません」

即答されたその返事に正直ホッとしつつ、マスターとして理由を聞いた。


「…なぜです?…婚約者がいるから?」

「いえ。マスターさんは徳永くんではないから……だから一緒に過ごすことはできません」

「…じゃあもし俺が本当の徳永くんだったら?誘われたら一緒に過ごすの?」

「ふふ……そうですね、本当の徳永くんにそんな風に誘われたら嬉しいですし、一緒に過ごしてみたいですけどね…」

そう言うと『mariage』をクゥと飲んで、大人の女の顔で「おいし…」と呟いた。


栗原さん……


マスターの誘いは断るのに…

俺の誘いなら嬉しいって…
一緒に過ごしたいって…


あぁ、ヤバい。
胸のドキドキが、栗原さんにまで聞こえそうなくらいうるさい。

この感覚は高校の頃以来…

いや…今はそれ以上か。

男としての本能が掻き乱されてるんだから。



…もう我慢しない。

マスターの俺じゃなくて…


ほんとの俺を…

『徳永真宙』の俺を見て、栗原さん。

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