初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~
心を決めると俺はカウンターを出て、栗原さんの隣のスツールに腰掛けた。
そして、最後の一口を飲み干し、グラスに口をつけたまま、ん?って不思議そうに俺を見る彼女に身体を向けると、俺は眼鏡を外した。
「栗原さん」
カウンターに空のグラスを置いた栗原さんが、キョトンとして俺を見る。
「…なんで私の…」
「ごめんね。…俺、徳永真宙だよ」
ふっ、と笑って見せるも、栗原さんはまだキョトンとしたままだ。
「…え…徳永くん…?…マスターさん…が…徳永くん…?」
「うん。久しぶり」
「ひ…さしぶり…だけど……えっ…ウソ……とっ徳永くんなの!?……ほんとに!?」
「信じられない?…よね。俺も最初信じられなかったもん」
また、ふっ、と笑って見せると、まんまるの目でパチパチと瞬きを繰り返した。
はは、すごく可愛い。
「うそ…まさか……こんな旅先で……しかもマスターさんだなんて……ああっ!私……全部言っ…ちゃった…」
びっくりした顔で口元を隠してるけど、うん、全部言っちゃったね。
「あの頃、栗原さんも俺のこと好きでいてくれてたんだね」
「ひゃあああ!…あ、あ、あ、あの…」
はは、急に真っ赤になった。
マンハッタンでもそこまで赤くならなかったのにね。
あー…やば、マジで可愛いんだけど。
「他人には言えて、俺本人には言えないの?」
「だっ、だ…だって…」
今度は赤い顔のまま胸を押さえてる。
すごくドキドキしてるの?
俺もおんなじだよ、栗原さん。
さっきからすっごい鼓動が痛い位にうるさいんだ。