初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~

「俺のこと、そんなに想っててくれたんだ。…てゆーか、俺達、両想いだったんだね。嬉しいな、マジで」


「やっ、あっ、あの……どーしよぉ…」

今度は両手で赤い顔を覆っちゃった。
だから大人の女がそーゆうことすんの、可愛いすぎるんだって。


「俺…今でも栗原さんのことが好きだよ。彼女はいたこともあるけど、気付くとどうしても栗原さんと比べちゃってて……それだけ俺も諦められなかったんだ」

「徳永くん…」

「どうしてもあの男と結婚しなきゃなの?」

「あの男…って?」

「平久保ってヤツだろ?さっき栗原さんが寝てる時に栗原さんのスマホに電話がかかってきてたんだ。それで悪いけど出ちゃった」

「えっ!」

「あぁ、バーの店員です、って出たから。でもやり取りしてたらあいつの態度にすげぇムカついた」

「え…」

「あんなヤツに栗原さんを渡したくない」

「…でももう無理なの……昔から決められていた事だから」

「栗原さんはそれでいいの?好きでもない男なんだろ?嫌なんだろ?」

「…私が嫌だと言ってどうにかなる問題じゃないの…」


「俺は嫌だ。あんなヤツになんか渡さない。…ね、俺のとこに来てよ…俺なら絶対に栗原さんに悲しい顔なんかさせない!俺が全てのものから栗原さんを守って、絶対に栗原さんを幸せにするから!」

目を見て、真剣に〝俺の想い、伝われ!〞と祈りながら、栗原さんの小さな手をグッと握って言う。

本気だから、俺。


…すると、栗原さんの目からポロポロと涙がこぼれ落ちた。

「そんな事言われたら…嬉しくて……せっかく覚悟を決めたのに……気持ちが揺らいで…もっと辛くなっちゃうよ…」


あぁ…俺は卒業式の時と同じことをしてる。
また苦しめてる。


でも…嫌なんだ。

栗原さんをあの男に…いや、誰にも渡したくない!


ね、今日出逢えた奇跡は、神様が俺達にくれたチャンスだと思わないか?

俺は諦めないから!

栗原さんは絶対に渡さない!

そう強く心に決めるとスツールから立ち上がり、俺はあの時と同じく、優しく包み込むように栗原さんを抱き締めた。

…あの時はコートと制服越しだったけど、今はワンピースの薄手の布を隔ててるだけだから、栗原さんの体温がしっかりと感じられてドキドキする。


「好きなコに泣かれると弱いな」

「卒業式の日も…そう言って抱き締めてくれたね…」

「覚えてるんだ…」

「うん…徳永くんとのやり取りは全部…忘れられない想い出だから」

その言葉、すごく嬉しいけど…

でも想い出になんてされたくない。

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