訳アリママですが、敏腕パイロットに息子ごと深愛を注がれています。
「もう止まれないから」
「…………あ、」
指で、舌で、優しく甘く時に激しくなぞられる。
二人の吐息が混ざり合い、重なって溶け合う。
遠目から見ているだけだった憧れの人とこうしているなんて、初めて会った時は思いもよらなかった。
一夜限りの関係でもいい、遊ばれただけでも構わない。
それでも今は、今だけはこの夢のようなひとときに浸っていたい。
「〜〜っ、あかせさ……っ」
「永翔って呼んで」
「っ!」
「呼んでよ、陽鞠」
耳元で囁かれ、ゾクゾクとした感覚が背中に走る。
「永翔、さん……」
「陽鞠、もっと呼んで」
「永翔さん……っ!」
「陽鞠」
名前を呼ぶことが、名前を呼ばれることがこんなにも多幸感に感じることなど初めてだった。
全てが初めての感覚だった。
ゆっくりと両脚を開かれて、押し入ってくる鈍くて甘い痛みも。
「……っ、」
「つらい……?」
「へーき、です……」
頬や頭を撫で、優しく口付けて労ってくれる。嬉しいのに苦しくて、自然と涙がこぼれた。
――あなたが好き。
奥を突かれる度に何度も思った。あられも無い喘ぎ声と共に何度叫びたくなったかわからない。
だけど必死でその二文字だけは封印した。
彼が自分のことなんて好きになるはずがないのだから。
「……かわいい、陽鞠」
「っ、永翔さ……んっ」
名前を呼ぶ前に唇を塞がれる。
何度しても唇がとろけそうになる。
陽鞠にとって二度と忘れることのできない甘くて夢のような一夜だった。