訳アリママですが、敏腕パイロットに息子ごと深愛を注がれています。
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――永翔side
風呂から上がった永翔は、タオルで濡れた頭を拭きながら寝室を覗いた。
ダブルベッドでくっついて眠る陽鞠と叶空の寝顔を見ているだけで心穏やかになれるような、それでいて高揚感も感じてしまう。
静かに寝息を立てているところを見ると、穏やかに眠れているようで安心した。
叶空は永翔にもらった飛行機を握りしめたまま寝ている。
寝返りを打った時に危ないかもしれないと思い、飛行機を取ろうとしたがしっかり握りしめているので振り解けなかった。
そんなに気に入ってくれたのかと思うと嬉しくてたまらない。
ぷにぷにとしたクリームパンのような柔らかい手がかわいらしい。
もしかして、という期待もあったが叶空が本当に自分の子だと知った時はこれ以上にない程嬉しかった。
幼い頃の自分と似ているのではないか、と初めて叶空のことを見た時から思っていたが自分の願望がそう思わせるのではないかと思っていた。
だが目の前にいる天使は、紛れもない自分と陽鞠の子だったのだ。