訳アリママですが、敏腕パイロットに息子ごと深愛を注がれています。
流されるまま永翔の車に乗っていた。陽鞠の膝の上で叶空はご機嫌だ。
保育所で習ったという歌を歌っていた。
「叶空くんはお歌が上手だね」
「きょうね、うたったの」
「保育園、楽しい?」
「たのしい!」
その言葉を聞いて陽鞠も安心する。
色々と心配だったけれど、叶空が楽しめているようで良かったと思った。
二度目に訪れた永翔の自宅は、相変わらず綺麗で広い。
依然と違うのはリビングの中央に大きなプレゼントが置かれていることだ。
「叶空くんへのプレゼントだよ」
「おっきい……!」
キラキラと瞳を輝かせ、プレゼントに駆け寄る叶空。永翔が袋を縛っていたリボンを解くと、中から大きなくまのぬいぐるみが現れた。
「くまたん……!」
「かわいいでしょ?」
「くまたん!!」
「永翔さん、いいんですか? こんなに大きなぬいぐるみ」
「流石に大きすぎるかと思ったけど、こいつを見てたらどうしても叶空くんに見せたくなって。持って帰るの大変だったよ」
「とあのくまたん!」
叶空はぎゅーっとくまに抱きつき、嬉しそうにはしゃいでいる。ふわふわした素材で抱きしめるとクッションのように気持ち良い。
「叶空、ありがとうは?」
「あいあと〜」
「ふふ、喜んでもらえて嬉しいよ」
「でもこんなに大きかったらお家に連れて帰るのが大変かも」
「ならここに置いておくから、いつでも会いに来て」