訳アリママですが、敏腕パイロットに息子ごと深愛を注がれています。
おずおずと答えると永翔はふっ、と笑い出す。
「お世話になります、って」
「だ、だってそうでしょう……!?」
「いや、陽鞠らしい真面目さで好きだなぁと思っただけだ」
「っ!」
ナチュラルに好きと言われて陽鞠の顔は林檎のようになる。
そんな陽鞠を見て、永翔はニヤリと笑って陽鞠が座っているソファの隣に腰掛けた。膝と膝がくっついてしまいそうな程距離が近い。
陽鞠の体温は一気に上昇していく。
そんな陽鞠の反応を楽しむかのように、永翔はニコニコと陽鞠を見つめていた。
「な、なんですか?」
「いや別に?」
「からかってますよね?」
「まさか、かわいいなぁと思ってるだけ」
「だから……」
そういう言い方がからかっているのに、と反論する前に永翔は陽鞠を抱きしめる。
「やっぱり、陽鞠じゃなきゃダメだ」
「……っ」
「陽鞠と離れている間もずっと忘れられなかった」
「永翔さ……」
「陽鞠さ、本当は俺のこと好きだよね?」
「な、んで」
「見ていればわかるよ」
かああっと頬が熱くなるのがわかる。違うと否定したいのに、抱きしめられている腕から逃れたいのに、陽鞠にはできない。
「俺は結婚するなら陽鞠以外考えられない。叶空くんのことも陽鞠のことも全力で守り抜くと誓う。だから陽鞠、一生傍にいさせてよ」
「……っ、私も永翔さんのことがす、んっ」