訳アリママですが、敏腕パイロットに息子ごと深愛を注がれています。
エピローグ
目の前にエッフェル塔を望める絶景を見ながら、陽鞠と永翔は赤ワインを嗜んでいた。
ホテルの部屋からエッフェル塔が望めるなんて、贅沢すぎる。
永翔がルームサービスでワインを注文し、せっかくだからパリの夜景をバックに飲もうということになった。
ちなみに叶空は流石に疲れたのかぐっすり眠っている。
「まさかこんな素敵な結婚式になるなんて。ありがとう、永翔さん」
「休みをくれた有紗に感謝だな」
「そうだね。お土産いっぱい買わなくちゃ」
明日からはパリ観光することになっている。シャンゼリゼ通りでショッピングを楽しむのはもちろん、モンサンミッシェル等の観光スポットを巡るのもとても楽しみだ。
「ルーヴル美術館が一番楽しみにしているの。学生の頃からずっと行ってみたくて」
「ルーヴルだけで一日いれるくらいだからなぁ。一日あっても回り切れないと思うけど」
「そうだよね」
「そうしたらまた行こう」
「ええ」
永翔は飲み終わったワイングラスをテーブルに置くと、陽鞠に向かって手招きする。
きょとんとしながら陽鞠もグラスが空になったのでテーブルに置き、永翔に近寄るとあっという間に腕の中に閉じ込められてしまった。
「陽鞠……」
「あ……」
頬を撫でられ瞳を閉じると、すぐに唇を重ねられる。
最初は触れるだけ、だがすぐにもう一度重なって角度を変えては何度も交じり合う。