【電子書籍化】初夜に「きみを愛すことはできない」と言われたので、こちらから押し倒してみました。 〜妖精姫は、獣人王子のつがいになりたい〜
「えっとあの、まだって、どういうことですか。だってシーツには確かに血が」

「あれは、ルフィナが慣らしもせずに挿入しようとしたからだ。あんなことをすれば、そりゃ血だって出る」

「慣らす、とは」

 戸惑ってぱちぱちと瞬きを繰り返すルフィナを見て、カミルは困ったように眉尻を下げて笑った。

「ずっと言っていただろう、きみに痛い思いをさせたくないと。性交の際は、まず女性の身体を解すことから始めないといけないんだ。でないと、必要以上に苦痛を与えることになるから」

「解すって、何を……。柔軟体操をするということでしょうか」

 首をかしげたルフィナを見て、カミルが小さく噴き出した。そして優しく慈しむような手が頬に触れたあと、ゆっくりと腰を撫で上げる。

「きみが俺のものを受け入れる場所は、先に慣らして解しておかないと痛みが強い。あの晩、何もせずに受け入れようとしたきみは、泣くほど痛がっていただろう」

「確かに、ものすごく痛かったですけど」

「だから、途中でやめたんだ。きみがシーツに流れた血を破瓜によるものだと勘違いしたから、それでいいかと思って」

「嘘、そんな……」

 目を見開くルフィナを、カミルは苦笑しつつ見下ろすと顔を近づけた。

「だから、俺たちはまだちゃんと成し遂げてない。どうする、ルフィナ? 今から本当の初夜を始める?」

「本当の、初夜」

「とはいえ、俺も初めてだからね。どれくらいルフィナを気持ち良くさせてあげられるかは分からない。努力すると誓うけど」

「わ、私だってカミル様に気持ち良くなっていただけるよう頑張ります」
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