【電子書籍化】初夜に「きみを愛すことはできない」と言われたので、こちらから押し倒してみました。 〜妖精姫は、獣人王子のつがいになりたい〜
二度目の初夜
寝室に着くと、出迎えたイライーダが驚いたように目を見開きつつも嬉しそうに微笑んだ。二人の仲がうまくいったことを、確信したのだろう。
「明日の朝までは、誰であろうと部屋に近づけるな」
カミルの言葉に深く頭を下げて、イライーダは出て行く。それを確認して、カミルは部屋の鍵をかけるとルフィナをベッドの上に下ろした。
すぐに覆いかぶさってきたカミルが、優しくルフィナの唇を啄む。何度も重ねられる唇を受け止めて、ルフィナは彼の首筋に抱きつくように腕を回した。
「すごく、緊張してるんだ。優しくするつもりだけど……、嫌なことがあればすぐに教えて欲しい」
そう言ってため息のような深い息を吐くカミルの表情は、いつもより余裕がなく見える。そっと触れ合った彼の胸から伝わる鼓動は、ルフィナと同じくらい速い。
だが、再び唇が近づいた時、ふわりと香った甘い匂いにルフィナは思わず小さくうめいた。サラハがカミルに寄りかかっていた時に移ったであろう、アルゥの香りだ。
「ルフィナ?」
顔をのぞき込んだカミルが、吐き気を堪えるルフィナを見てハッとしたように身体を離す。
「大丈夫か、やっぱり体調が」
「違うんです、体調は大丈夫。ただ……アルゥの香りが、どうしても受け付けなくて」
「アルゥの……?」
戸惑ったようにつぶやいたカミルに、ルフィナは彼の身体からアルゥの香りがすることを伝える。
確認するように身体の匂いをあちこち嗅いだカミルは、低く唸って自らの髪にぐしゃりと手をやった。
「明日の朝までは、誰であろうと部屋に近づけるな」
カミルの言葉に深く頭を下げて、イライーダは出て行く。それを確認して、カミルは部屋の鍵をかけるとルフィナをベッドの上に下ろした。
すぐに覆いかぶさってきたカミルが、優しくルフィナの唇を啄む。何度も重ねられる唇を受け止めて、ルフィナは彼の首筋に抱きつくように腕を回した。
「すごく、緊張してるんだ。優しくするつもりだけど……、嫌なことがあればすぐに教えて欲しい」
そう言ってため息のような深い息を吐くカミルの表情は、いつもより余裕がなく見える。そっと触れ合った彼の胸から伝わる鼓動は、ルフィナと同じくらい速い。
だが、再び唇が近づいた時、ふわりと香った甘い匂いにルフィナは思わず小さくうめいた。サラハがカミルに寄りかかっていた時に移ったであろう、アルゥの香りだ。
「ルフィナ?」
顔をのぞき込んだカミルが、吐き気を堪えるルフィナを見てハッとしたように身体を離す。
「大丈夫か、やっぱり体調が」
「違うんです、体調は大丈夫。ただ……アルゥの香りが、どうしても受け付けなくて」
「アルゥの……?」
戸惑ったようにつぶやいたカミルに、ルフィナは彼の身体からアルゥの香りがすることを伝える。
確認するように身体の匂いをあちこち嗅いだカミルは、低く唸って自らの髪にぐしゃりと手をやった。