【電子書籍化】初夜に「きみを愛すことはできない」と言われたので、こちらから押し倒してみました。 〜妖精姫は、獣人王子のつがいになりたい〜
「ルフィナを縛りつけてしまっていいのかと、首を噛むのを躊躇っていた俺がバカだったな。まさかきみの方から噛んでくれるなんて。もう絶対に放さないからな」

 一度深く口づけたあと、カミルの唇がルフィナの首筋に触れる。思わず震えた身体を逃がさないというように抱きしめられ、そのぬくもりにルフィナが思わず吐息を漏らした瞬間、首にカミルの歯が当たるのが分かった。

「っふ……あぁっ」

 痛みはないものの、噛みつかれた場所からすさまじい快楽が広がっていく。全身が大きく震え、カミルが何かに耐えるように低くうめいた。

「ルフィナ……」

 まだ首筋に顔を埋めたまま、カミルが囁く。噛みつかれた場所に吐息がかかって、それすらも快楽に置き換えられていく。

「カミル、さま」

 縋るように名前を呼んで、ルフィナは彼の身体に強く抱きついた。

「愛してる、ルフィナ」

「……っ、私もです、カミル様のこと、大好き。愛して――」

 最後まで言う前に、カミルがルフィナの身体を強く抱きしめた。
 いつの間にか痛みなんてどこかにいってしまっていて、びりびりと痺れるような快楽だけがルフィナを襲う。
 激流のような快楽に流されそうで、怖いほどだ。だけど、目の前のカミルの身体にしがみついていれば大丈夫だと思える。
 離さないし離れない、そう想いを込めて、ルフィナはしっかりと抱きついた。

 ◇◆◇

 ぼんやりと目を開けると、こちらを見つめているカミルと目が合った。

「起きたか。身体はどうだ?」

「大丈夫……でも、ないですね。全身が怠くて……」
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