【電子書籍化】初夜に「きみを愛すことはできない」と言われたので、こちらから押し倒してみました。 〜妖精姫は、獣人王子のつがいになりたい〜
 起き上がろうとしたら、身体に力に入らなかった。特に脚は小刻みに震えていて、少し動かすのも怠くてたまらない。
 何度も激しくカミルに抱かれたせいだろう。途中から記憶が朧げだが、とても気持ちが良かったことは覚えている。
 動けないと笑ってみせると、カミルが申し訳なさそうな顔をした。耳まで少し下を向くのが可愛い。

「ごめん、つい夢中になってしまった。途中までは必死に自制してたんだけどな……ルフィナが可愛すぎるのが悪い」

「ふふ、情熱的な夫婦は何度も愛しあうって書物で読みました。これで私たちも、情熱的な夫婦の仲間入りですね」

 何回したっけと記憶を辿って指折り数えていると、抱き起こしてくれたカミルが肩を震わせて笑った。
 

 時計を見上げると明け方近くで、窓の外の空も少し明るくなってきている。この部屋に戻ってきた時は就寝時刻にもなっていなかったことを考えると、随分長い時間を二人で過ごしていたようだ。

「ルフィナ、水を」

 グラスを差し出されて受け取ると、カミルが悪戯っぽい表情で耳元に顔を寄せた。

「たくさん声をあげさせてしまったからな。水分補給をしっかりとして、喉を潤しておかないと」

「う……、確かに喉はちょっとイガイガしますけど……! でもそれってカミル様のせいですからっ」

 カミルの触れる指や唇、そして彼自身に与えられる快楽に、何度も嬌声をあげたことはルフィナだってしっかりと覚えている。真っ赤になった顔を見られるのが恥ずかしくて、ルフィナは小さく唸って毛布に顔を埋めた。

「ごめん、ルフィナ。怒らないで。顔を見せて」
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