【電子書籍化】初夜に「きみを愛すことはできない」と言われたので、こちらから押し倒してみました。 〜妖精姫は、獣人王子のつがいになりたい〜
「分かりました。ですが、私はアルデイルに対して反逆の意志など持っていないことは、あらかじめ宣言しておくわ」

「それも含めて伺います」

 ルフィナの言葉にも動じる様子を見せず、騎士は掴んだ腕を離そうとはしない。男が何事かを低く命じると、ルフィナの周囲を騎士が取り囲んだ。まるで、重罪人を連行する時のようだ。
 反逆の疑いなど心当たりは全くないが、彼らも何の証拠もなくルフィナを疑ったりはしないだろう。
 一体何が起こっているのだと思いつつ、ルフィナは目の前の男を見つめた。

「私の無実を証明するために一緒に行くことには同意するけれど、アイーシャ姫とお茶の約束をしていたの。彼女が戻るまで待っていただくことはできないの? せめて事情を説明したいわ」

「その必要はありません。部下が、姫にはお伝えしますから。これ以上あなたと、我が王家の方々を接触させるわけにはいかないのです」

 硬い口調で告げられて、ルフィナは小さくため息をついてうなずいた。反逆の疑いをかけられた者が、王女に話をするのは許されないということだろう。

「そういうことなら、承知しました」

「では、こちらへ」

 縛られてはいないものの、ほとんど身動きができないほどそばで見張るように立つ男たちに囲まれて、ルフィナは四阿をあとにした。

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