【電子書籍化】初夜に「きみを愛すことはできない」と言われたので、こちらから押し倒してみました。 〜妖精姫は、獣人王子のつがいになりたい〜
 王も、申し訳なさそうな表情でルフィナを見ている。微かに耳が下がっているところがカミルにそっくりで、ルフィナは込み上げた笑みを堪えた。

「そなたには、本当に申し訳ないことをした。疑いを晴らすためには、そなたの口からちゃんと聞きたかったのだ」

「もちろん理解しております、陛下。双方の言い分を聞いてくださったこと、感謝しております」

 王の謝罪を受けて、ルフィナも頭を下げた。そんな二人を見て、王妃が大きなため息をついた。

「大体あなたが、わたしを一緒に連れて行くなんて言い出すからこんなことになったのよ! わたしが城に残っていたなら、ルフィナを牢に入れるなんて真似、させなかったわよ」

「そ、それはそうだが」

 王妃に叱られて、王がたじたじとした表情になる。片時も離れたくないと望んだのは王の方で、それだけ妃に執着しているということだろう。
 誰もがルフィナのことを信じてくれていたことが、たまらなく嬉しい。
 牢に入れられた時も、尋問を受けた時だって涙なんて出なかったのに、嬉しさでは涙はあふれるのだなと思いながら、ルフィナは滲んだ涙をそっと拭った。
< 141 / 166 >

この作品をシェア

pagetop