【電子書籍化】初夜に「きみを愛すことはできない」と言われたので、こちらから押し倒してみました。 〜妖精姫は、獣人王子のつがいになりたい〜
そんなサラハを見ながら、カミルはちらりとどこかへ目くばせをした。その合図で、いつの間にか戻ってきていた騎士団長が進み出てくる。その手にあるのは、白い封筒だ。
「サラハに聞きたいことがあってね。それで今日は来てもらったんだ」
「何でしょうか」
笑顔で首をかしげたサラハのもとに、封筒が差し出される。それを見た瞬間、彼女は小さく息をのんだ。
「その封筒に、見覚えがあるだろう? 我が国の機密情報を外部に持ち出そうとした、反逆の証拠となる手紙だ」
「いいえ、何のことか……分かりませんわ」
微かに震える声で、サラハは首を振る。忙しなく周囲に目を向ける彼女は、かなり動揺しているようだ。
「おかしいな、封筒の端にアルゥの花びらがくっついていたんだが」
「そ、それは……アルゥの実を城にお届けする際に、紛れ込んだのかもしれませんわね。その封筒がどこで使われたものかは存じませんが、アルゥの実は城の各所にお届けしておりますもの。風に乗って花びらがお部屋に舞い込むことだってあると思いますわ。それに、アルゥを取り扱うのは我が兎獣人のサキーユ家のみ。例えばわたくしの父に疑いの目を向けるために誰かが花びらを仕込んだということは考えられませんか?」
カミルの言葉に、サラハは淀みない口調で語る。話しているうちに自信を取り戻したのか、その表情から不安の色が消えていく。
「……確かにアルゥの実は、厨房をはじめとして色々な場所に届けられるからな。花びらが紛れ込む可能性もゼロではない。サキーユ宰相の足を引っ張りたいと考える者の仕業と考えることもできるな」
「サラハに聞きたいことがあってね。それで今日は来てもらったんだ」
「何でしょうか」
笑顔で首をかしげたサラハのもとに、封筒が差し出される。それを見た瞬間、彼女は小さく息をのんだ。
「その封筒に、見覚えがあるだろう? 我が国の機密情報を外部に持ち出そうとした、反逆の証拠となる手紙だ」
「いいえ、何のことか……分かりませんわ」
微かに震える声で、サラハは首を振る。忙しなく周囲に目を向ける彼女は、かなり動揺しているようだ。
「おかしいな、封筒の端にアルゥの花びらがくっついていたんだが」
「そ、それは……アルゥの実を城にお届けする際に、紛れ込んだのかもしれませんわね。その封筒がどこで使われたものかは存じませんが、アルゥの実は城の各所にお届けしておりますもの。風に乗って花びらがお部屋に舞い込むことだってあると思いますわ。それに、アルゥを取り扱うのは我が兎獣人のサキーユ家のみ。例えばわたくしの父に疑いの目を向けるために誰かが花びらを仕込んだということは考えられませんか?」
カミルの言葉に、サラハは淀みない口調で語る。話しているうちに自信を取り戻したのか、その表情から不安の色が消えていく。
「……確かにアルゥの実は、厨房をはじめとして色々な場所に届けられるからな。花びらが紛れ込む可能性もゼロではない。サキーユ宰相の足を引っ張りたいと考える者の仕業と考えることもできるな」