【電子書籍化】初夜に「きみを愛すことはできない」と言われたので、こちらから押し倒してみました。 〜妖精姫は、獣人王子のつがいになりたい〜
 爪の先でかりかりと引っ掻くように耳の内側を撫でると、カミルが息を詰めた。ルフィナが触れるたびに彼は様々な反応をしてくれるから、それを見たくてつい夢中になってしまう。
 彼の耳と尻尾に触れていいのはルフィナだけ。愛しい人のふわふわの毛並みを撫でるのは、ルフィナにとってたまらなく幸せな時間だ。

「ぁ、ルフィナ……そんなにしたら、」

「まぁ、今はお耳しか触ってないのに、それだけでも気持ち良くなってしまうかしら」

「は……」

 耳もぴくぴくと震えて、快楽に耐えていることを訴えてくる。カミルの口から漏れる吐息が、色っぽくてたまらない。

「ふふ、まだだめですよ。我慢してくださいな」

 耳をなぞる手を止めると、カミルが眉を顰めて低く唸った。頬を赤く染めた彼の表情はいつも以上に艶めいていて、ルフィナがその顔をさせているのだと思うとたまらない。
 しばらくして少しカミルが落ち着きを取り戻したのを見て、ルフィナは再び彼の尻尾に伸ばす。柔らかく握って上下に擦るように動かせば、カミルは再び眉を顰めて荒い息を吐いた。

「カミル様ってば尻尾が弱いのも可愛い」

「っぁ、……ぅ」

「その声が大好き。もっと聞かせて、カミル様」

「ぁ、……っ」

 吐息まじりに囁きながら、尻尾を強く握りしめたところ、ぶるりと大きく首を振ったカミルがルフィナの手を取った。そのままぐいと腕を引かれ、気がつけばルフィナの身体はベッドの上に倒れ込んでいた。

「……あれ?」

「まったく。きみは……どれだけ俺を翻弄したら気が済むのか」
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