【電子書籍化】初夜に「きみを愛すことはできない」と言われたので、こちらから押し倒してみました。 〜妖精姫は、獣人王子のつがいになりたい〜
 身体の上にのしかかってきたカミルが、ため息をつきながら自らの髪をぐしゃりと搔きむしる。はぁっと熱い吐息を漏らす微かに頬を赤くしたその顔は、すさまじい色気を放っている。

「毛並みを愛でてるのか、俺を焦らしてるのか分からないな」

 顔をのぞき込んだカミルが、こつりと額をぶつけて笑う。至近距離で向けられた笑みは、優しいのに獰猛だ。獲物を目の前に、舌なめずりをするようなその表情に、ルフィナは思わずこくりと息をのんだ。

「カミル、さま」

「次は俺の番だ。たくさん気持ち良くなってもらうから覚悟して、ルフィナ」

 すぐそばで囁いたあと、カミルは深く唇を重ねてきた。

「……っふぁ」

 深く絡められた舌が、ルフィナから言葉を奪う。何度も慈しむように頭を撫でながら重ねられる唇は、獰猛なのに優しい。

「ルフィナはどこもかしこも甘いな。食べてしまいたくなる」

 そう言ってカミルが額や頬などあちこちにキスを落としながら移動していく。

「絶対にきみを手放す気はないけれど、ルフィナもどうか俺から離れないで。ずっとそばにいて、俺だけを見ていて」

「もちろんです。カミル様と離れるなんて、考えられない。もしも離れていこうとしたら、私はどこまでだって追いかけますからね。絶対に逃がしませんよ」

「そうだった、きみはそういう人だった」

 くすくすと肩を震わせたカミルが、再びルフィナの唇にキスを落とす。

「愛してる、俺のつがい。俺だけの強くて可愛い妖精姫」

「私も愛してる。強くてかっこよくて、それからちょっぴり可愛い私のつがい」

 一度目を合わせて微笑み合った二人は、お互いの首にそっと唇を寄せた。そして、愛を込めて首筋に噛みついた。

 
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