【電子書籍化】初夜に「きみを愛すことはできない」と言われたので、こちらから押し倒してみました。 〜妖精姫は、獣人王子のつがいになりたい〜
――子を産めなければ、おまえはアルデイルでも役立たずの烙印を押されることになる。そうなりたくなければ、せいぜい励め。

 ◇◆◇

 王妃に閨教育を受けたいと申し出てから数日後、ルフィナのもとに訪問者があった。

「はじめまして、ルフィナ様。サラハと申します。本日より、ルフィナ様の閨の指導係としてお勤めさせていただきます。どうぞよろしくお願いします」

 そう言って微笑んだのは、兎獣人の女性だった。くるくるとしたピンク色の巻き毛に、白い垂れ耳が愛らしい。動くたびにふわりと甘い果実のような香りがして、同性であるルフィナから見てもとても可愛らしい人だった。
 閨の教育係という役職のせいだろうか、そこまで露出は多くないのに匂い立つような色気を感じる。豊満な胸のふくらみに、思わず目が吸い寄せられてしまいそうだ。

「どうぞよろしくね。あまりアルデイルのことを学ばずに嫁いできたので、もっとお勉強をしたいと思っているの」

「わたくしにできることであれば、何でもいたします。早速ですが、本日の講義に移りましょう」

 ソファに座ったところで、サラハはそばに控えるイライーダを見て微かに眉を顰めた。

「閨教育は非常に繊細な内容を含みます。恐れ入りますが、ルフィナ様とわたくし、二人きりにしていただけますか」

 ホロウードでの閨教育の際はイライーダも同席していることが多かったが、ここはアルデイル。この国の流儀に従うべきだろう。隣室で控えているよう命じると、イライーダはうなずいて退室した。

「それではあらためまして。ルフィナ様は具体的にどのようなことをお知りになりたいとお考えですか?」
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