【電子書籍化】初夜に「きみを愛すことはできない」と言われたので、こちらから押し倒してみました。 〜妖精姫は、獣人王子のつがいになりたい〜

初夜でやらかしたこと

 言葉を選びつつ、ルフィナはサラハに初夜での出来事を話した。聞き終えると、彼女はふうっと長いため息をつく。それに合わせて白い垂れ耳がふるふると揺れるのが可愛らしい。

「事情は、分かりました」

 しばらく黙ったあと、サラハは重々しくうなずいた。その口調に、ルフィナはやはり何か問題があったのだろうかと胸が騒ぐのを感じた。

「大変恐れながら、ルフィナ様は初夜にて致命的な間違いをいくつか犯してしまわれたようです」

「致命的な間違い……」

 やらかしたことに少し心当たりはあるが、致命的と言われるほどに酷いものだったのだろうか。

 眉を顰めたルフィナを見て、サラハは困ったような笑みを浮かべると指を一本立てた。

「まずひとつ。恐らくカミル殿下は、初夜の場において肉体的な満足感を充分に得られていなかったと推測されます」

「満足感……」

「ルフィナ様が仰るように、短時間で終えられたということは、一刻も早く終わらせたかったという思いのあらわれかと」

 サラハの言葉に、ルフィナはうなだれた。一方的に、ルフィナから抱いてもらったことに礼を言って終わらせた自覚はある。本来ならば、一度で満足できなければ二度三度と行為に及ぶというが、カミルは一度で終わらせると仕事に戻ってしまった。きっと、複数回抱きたいと思うほどにルフィナの身体に満足できなかったのだろう。
 自分の痛みに必死になりすぎて、カミルの快楽を考えなかったルフィナのミスだ。

 うつむくルフィナを気遣いながらも、サラハはすらりとした細い指をもう一本立てる。

「そして二つ目。これが特に致命的なのですが、ルフィナ様がカミル殿下を押し倒されたことです」
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