【電子書籍化】初夜に「きみを愛すことはできない」と言われたので、こちらから押し倒してみました。 〜妖精姫は、獣人王子のつがいになりたい〜
「それでも、とんでもない失礼をした私に変わらず接してくれるなんて、カミル様はやっぱりお優しい方だわ」

「えぇ、ルフィナ様はホロウードからいらした大切な花嫁様ですもの。閨のことはともかく、大切にしてくださるでしょう」

「今でも充分良くしていただいているのに、抱いていただきたいなんて申し出るのは過ぎた願いかしら」

 考え込むルフィナを見て、サラハは優しい微笑みを浮かべた。

「ひとまず、ルフィナ様の方から抱いていただきたいと殿下に申し出るのは控えておいた方が良いかと。殿下のお気持ちがルフィナ様に向くまで、しばし待ちの姿勢が大事ですわ」

「そうよね、私ったらつい前のめりになってしまうところがあるから気をつけなくちゃ。待ちの姿勢ね……」

 いずれ子を成す必要があるのだから、カミルが二度とルフィナに触れないということはないだろう。その日が来るまで、ルフィナは待つべきなのだろう。
 ふむふむとうなずいたルフィナに、サラハはそれでいいのだというように微笑んだ。

「ですから、それまでの間はわたくしが殿下のお相手を務めさせていただきますね」

「え?」

 聞き間違いかと眉を顰めるものの、サラハはにこにこと笑みを崩さない。

「あの、サラハ。もう一度……いいかしら。今、何て?」

「えぇ、殿下がルフィナ様を抱きたいと口にされるまでは、わたくしが殿下のことをお慰めいたします」

「どういう、こと?」
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