【電子書籍化】初夜に「きみを愛すことはできない」と言われたので、こちらから押し倒してみました。 〜妖精姫は、獣人王子のつがいになりたい〜
 にっこりと笑ったサラハは、ルフィナの手を握った。少し近づいた距離に、甘い香りが濃くなる。

「わたくしも励みます。ルフィナ様が殿下に抱いていただける日まで、頑張りましょうね」

「えぇ、そうね」

 ルフィナがうなずくと、サラハは深くお辞儀をして部屋を出て行った。
 彼女がいなくなっても部屋の中に残る甘い香りが何故かとても鼻につくような気がして、ルフィナは黙って窓を開けて換気をした。
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