【電子書籍化】初夜に「きみを愛すことはできない」と言われたので、こちらから押し倒してみました。 〜妖精姫は、獣人王子のつがいになりたい〜
「殿下の表情をよくご覧になって、タイミングを計ることが重要です」

 張り型を滑る手を見つめながら、ルフィナは黙ってうなずく。まるでカミルとサラハの様子を見せられているようだなんて、考えてはならない。

 彼女はカミルにこういう風に触れるのだというのを目の前で実践されて、ルフィナは騒ぐ胸の内を表に出さないようにと無表情を保った。

 実技の講義を終えて、ルフィナはどっと疲れた気持ちでソファに座る。
 手を洗い、張り型を片付けたサラハがお茶を淹れてくれた。持参したのだという茶葉はアルゥの実を使ったものだそうで、いつもの甘い香りがする。

「アルゥの実には滋養強壮の効果もありますから、お二人で夜にお茶を飲まれる際にも良いと思います」
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