凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
「琴、こっち向け」

なんでこんな時に俺様出すのよ。

「逃げんなよ」

バレている。

「なんか…私ばっかり…我慢できてない…」

私はついに恥ずかしさと、このもどかしさに耐えられず泣き出してしまった。

やだ。
こんなの。
みっともない…

「琴…」

伊吹は立ち上がると私をぎゅーっと抱きしめた。

「俺も同じだから」

「なら抱いてよ!」

ついに言ってしまう。
沈黙が続く。

「今日は帰るか?」

「嫌だ!」

そんな事言って欲しい訳じゃない。

私はやっぱり景子さんみたいに待ってられない。

なんなら本当はやっぱり、初めての私の相手をするのが嫌だとか…?

「落ち着けって。どうした急に。さっきまで普通だったろ」

「違う。急じゃない…ずっと…ずっと本当に繋がりたいって思ってた」

ふざけて誘ってたけど、いつもそのまま本当に抱かれてもいいって思ってた。
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