凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
その度に我慢してる姿を見て面白いっても思ったけど、やっぱり寂しかった。

伊吹が大事にしてくれてるのはわかってるけど…

それでもやっぱり…

「うっ…」

抱きしめられたまま背中をトントンとされる。

そして結局その日は私が泣き止んだ後、服を着せられ、蟹を持ってタクシーに乗せられ、帰らされた。

惨めだ。

凄く。

もう頭の中は考えがまとまらず、私は週末のレースまで伊吹からの連絡に応えることが出来なかった。

そして迎えたレースの日。

本当だったら、この後会う約束をしてたけど…

それもどうなったんだか今となってはわからない。

でも負けても勝っても、その後の予定が無かったとしてもこのレースだけは観たかった。

伊吹は返事を返さない私に、連絡をくれる。

おはよう、おやすみ。

そして今朝は、行ってきます。




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