凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
返事は返せなかったけど、心の中では行ってらっしゃい。気をつけてね。と言った。

サーキットにつくと、すっかり私の事を知ってるスタッフが関係者席に案内してくれた。

ちょっとだけ気まずい。

案内された通りとりあえずベンチに座る。

サーキットでは、すでに何台もの車がけたたましい音を立てて物凄いスピードで走っている。

するとワーっと会場が騒めく。

そして一台の見慣れた車がブンと目の前を通り過ぎた。

伊吹だ。

カッコいい…

なんかそれを見ただけで泣きそうなんだけどー。

もう自分でも今の情緒不安定ぶりに笑えてくる。

なんであんな人が私なんかを?
っていつだって思う。

はぁ…。

どうかクラッシュとかそういうのだけは気をつけて欲しい。

どうか無事にゴールしてくれれば、勝敗は私の中ではどうでもいい。

こんな事、本気で勝負しに行ってる人には言えないけど。
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