凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
「丈慈さん…」
「伊吹とちゃんと向き合って話をしておいで」
そう言われて、莉央羅と環を見ればうんうんと頷いてくれる。
「何か…聞いたんですか?」
「うん。本当は婚約者なんだってな」
そっか…
話したんだね。
いつの間にか呼び捨てになってるし。
「はい…すみません。嘘ついたりして」
「いや全然。言われるまでわからなかったよ。本当にお似合いの夫婦に見えてたから」
うっ…
また泣きそう。
「でも伊吹…あんな綺麗な女の人たちと…」
普段は他人には勘違いされるからと言って冷たい態度を取るのに…
「あ、あれ? あれ皆んな俺の親戚だよ」
は?
「美空! 維織!」
そう言って急に名前を呼ぶ。
え!?
名前を呼ばれた女性はニコニコしながらモデルのウォーキングかと言わんばかりに綺麗に歩いてきた。