凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
今のところ完璧にクルーからも伊吹からも見つかる事なく応援できている。
だがしかし。
難しいのが連絡を取る時間帯。
伊吹の中では私は日本にいる事になってるから、リアルタイムで返信できるのにわざわざ時差を計算して返すというバカな事をしている。
今となればここまでする必要あったか?
と思うほど。
お、来た来た。
はぁ。
今日も今日とて集中した表情がまた素敵です。
伊吹。
頑張って!
ここで応援してるからね!
そしていよいよレースが始まった。
しっかり目に焼き付けるように瞬きも息も忘れて伊吹を目で追いかける。
何周目かで後ろの車が勝負に出ようと急接近するも、ギリギリまで引き寄せ相手のブレーキのタイミングをズラさせそれを交わす伊吹。
凄すぎる。
今回のピットインも完璧だった。
でも恐い。
あのタイヤからたまに火花が出るやつ。
するとその時接近し過ぎた後ろの車が伊吹に接触した。
「え!?」