凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
お互いグラっとハンドルを取られ、後ろの車はコースアウト。
伊吹はなんとかバランスを取り直し切り抜けた。
本当、息止まる。
接触した選手には何秒かのペナルティが加算された。
そして最後のレースもトップを守り抜いた伊吹。
もう涙が止まらない。
私は他の観客と一緒に立ち上がり拍手を送る。
その時膝の上に置いていた携帯が落ちてしまう。
「あ!」
そして拾おうと手を伸ばすも、周りは大興奮状態でなんと踏んづけられてしまう。
ぬぁ!!
しかもその拍子に携帯が次々に蹴っ飛ばされてしまった。
絶対終わった!
私は何とか携帯を追いかけ拾い上げる。
うわ。
見事にバッキバキになっちまってる。
しかも画面真っ暗。
うそーん!!
ええ!?
とりあえず電源を入れる。
入らねぇ!!
ぐぇーーーー!!